徹底解説災害からペットを守る方法とは？避難方法や準備すべき防災グッズ

災害は予測が難しく、突如として訪れます。そのような状況で、愛犬や愛猫を守るために飼い主が備えるべき対策は数多く存在します。

避難場所の確認
愛犬・愛猫を守るためのしつけ
愛犬・愛猫のための防災用品
一緒にいられない状況も考慮

以下で、それぞれのポイントを解説します。
避難場所の確認
避難場所については、自分自身だけでなく、ペットも一緒に避難できる場所を事前にリサーチしておくことが重要です。地域の避難所がペットを受け入れているか、または専用のペット避難所があるかどうかを確認しておきましょう。また、「同行避難」が可能な場所か、「同伴避難」が可能な場所かも併せて確認することが大切です。

◯同行避難とは
災害の発生時に、ペットとともに安全な場所まで避難する、移動を伴う避難行動をすることを指しています。避難所等においてペットを同室で飼養管理することを意味するものではありません。

◯同伴避難とは
災害の発生時に、避難所でペットを飼養管理することを指します。ただしペットを同室で飼養管理することを意味するものではなく、ペットの飼養環境は避難所等によって異なるので留意が必要です。


参考：人とペットの災害対策ガイドライン - 環境省

愛犬・愛猫を守るためのしつけと訓練
災害時にも役立つしつけが存在します。例えば、犬には「待て」や、呼んだら来る「おいで」などの最低限コマンドをおぼえること、や盲導犬をイメージするような飼い主にのそばについてくるような訓練。猫にはキャリーケースにスムーズに入る訓練などがあります。これらは、緊急時にペットにも飼い主にも役立つスキルです。

愛犬・愛猫のための防災用品
ペット専用の防災用品を備えておくことも必須です。必要なアイテムとしては、ペットフード、水、ペット用の救急キット、リード、キャリーケース、おもちゃやおやつ、そして身分証明のための迷子タグやマイクロチップ（令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化されました）などが考えられます。これらの用品は、災害時に迅速かつ効果的に行動するために必要なものです。
また、持病がある子は薬の準備も重要なので、かかりつけの獣医師にあらかじめ相談して準備をしておきましょう。
一緒に過ごせない状況も考慮
災害発生時にペットと一緒に過ごせない状況も考慮しておくことが重要です。災害時でもペットを預かってくれる施設はあるのか、預かってくれる友人・知人はいるのか事前に確認しておくことが重要です。一時的に預かってもらえる人の連絡先や場所を確認し、メモをしておくなど、緊急時に役立つ情報や手段を記録しておくこともおすすめです。

上にも挙げましたが、「しつけ」はただの行動制御ではなく、非常時にペットの命を守るための重要な準備の一つといえるのでもう少し詳しくお話しします。

避難所には様々な人がおり、ペットが苦手な人がいることも十分に想定できます。そのような環境で他の人にできるだけ迷惑をかけないように最低限のしつけを行い、準備をすることがとても重要と言えます。

愛犬のためのしつけ
犬には基本的なコマンド「おいで」「待て」「ハウス」などを教えることが不可欠です。災害時の混乱のなかスムーズに行動するためには、これらのコマンドが確実に実行できることが求められます。また、犬が他人や他のペット、新しい環境、車移動にも慣れていることは、非常時にも役立ちます。異なる環境でのストレスを最小限に抑え、迅速に避難行動を取るための基盤となるのです。

愛猫のためのしつけ
猫は犬とは異なり、独立性が高く、特定のコマンドに反応することは少ないですが、キャリーケースにスムーズに入る訓練や、新しい環境への適応能力を高めるための社会化は重要です。災害時にキャリーケースへの抵抗が少なければ、迅速に避難することが可能となります。また、他のペットや人々との接触時のストレスを低減するために、日常的にさまざまな環境や音に慣れさせる訓練も効果的です

非常時においてペットの安全確保は飼い主の責任です。ペットの救援物資車は緊急車両として認められないため、避難所での物資確保が遅れる場合が考えられます。最低でも5日分、できれば7日分以上の防災用品を備蓄しておくのがおすすめです。
愛犬のための防災グッズ一覧

フード（7日分以上）
お薬（特定の療法食や持病がある場合は特に）
おやつ
トイレシーツ
ゴミ袋（匂い抑制用も）
タオル（5~6枚以上）
フードボウル・水入れ
ペット用ウェットティッシュ
消臭スプレー
首輪・リード
ワクチン証明書のコピー
情報メモ（病院、連絡先等）
ペットの写真
ガムテープ
おもちゃ
キャリーバッグや犬用スリング




愛猫のための防災グッズ一覧

キャットフード（7日分以上）
お薬（特定の療法食や持病対応が必要な場合は更に）
キャットリター
キャリーケース
小さいおもちゃやボール
水入れ・フードボウル
タオル（5~6枚以上）
ペット用ウェットティッシュ
消臭スプレー
情報メモ（病院、連絡先等）
ペットの写真
ガムテープ
キャットハーネスまたはリード
持病がある場合は薬の予備


特別な療法食や持病の薬は、長期間備蓄が必要とされる場合もあります。かかりつけの獣医師にきちんと確認し、愛犬や愛猫が安全に避難できるように、日常生活の中で準備と確認を怠らないよう心がけましょう。備蓄物資は定期的に点検し、必要な場合は更新することが大切です。

災害時には、わずかな時間の差や備えの違いで、ペットの命に関わることに繋がります。まずは大きな３つのポイントをおさえて準備をしましょう。

①避難場所（ペットと一緒に避難できる場所）の事前確認
②最低限のしつけの訓練
③災害時を想像した防災グッズの準備


いつ何が起きてもできるだけ冷静に迅速に行動ができるよう、日常生活の中でペットとのコミュニケーションや絆を深めていくことが重要です。
ペットの命を守ることができるのは飼い主しかいません。災害時に大切な家族を守る力となれるよう、普段の暮らしから心がけていきたいですね。